犬を飼うことを考えた時に入手先として最初に思い浮かべる場所はペットショップという方も多いのではないでしょうか?
近年はペットショップ以外で入手する方法も広がりつつあるものの、私が動物病院で働いていた頃には初めて犬を飼う方などへはまだまだ浸透していないと感じることがありました。
そこで今回はそんな犬を我が家に迎えようと考えている方にペットショップ以外で犬を迎える方法5選とそのメリット・デメリットをご紹介していきます。
友人や知人から譲り受ける
まずご紹介するのは友人や知人から譲り受ける方法です。
身の周りにいる方に声を掛けてみることで意外なところから犬を譲っていただけると声がかかるかもしれません。
聞いてみるだけであればそこまでハードルも高くないので、まずは近場の人から探してみるのもおすすめです!
メリット
- 友人や知人からであれば信用しやすく、飼う上でもサポートを受けやすい
- 使っていた生活用品などを一緒に譲り受けられる可能性もあり、その場合は初期費用はあまりかからない
- 犬の健康状態について既にわかっていることが多い
- 譲ってもらう条件についても相談した上で決定できる
デメリット
- 子犬か成犬かは選べない
- 譲り受ける時には、食事の量や回数、散歩の回数、トイレや寝床などの生活環境や習慣、不妊手術の有無、ワクチン接種など予防歴、病歴などを細かく確認する必要がある
- 犬の健康状態や遺伝的な問題が不明な場合、そのリスクを考慮する必要がある
- 犬の適切なケアやしつけが十分に行われていない場合もあるのでその点にも注意が必要
動物愛護センター
県や市町村といった自治体の動物愛護センターで、様々な理由で保護された犬の里親を募集していることがあります。
動物愛護センターでは一時的に保護されていますが、新しい飼い主が現れない、あるいは元の飼い主に返還できなければ殺処分されてしまいます。
メリット
- 命を救うことができる
- 健康状態や性格などを十分に評価している場合が多い
- 成犬が多く、大きくなってからのサイズや、性格を予め知った上で飼える
- ペットショップやブリーダーから迎えるほどの高額な費用はかからない
デメリット
- 犬を引き取る際は愛護センターによって譲渡条件が異なり、譲渡手数料がかかる場合もあるため事前に条件や費用については確認が必要
- 成犬が多く子犬を探している方には適さない可能性がある
- 病気を持っている場合がある
- 臆病な子、警戒心が強い子もいるため、信頼関係を築けるまでに時間がかかる場合がある
保護団体
保護団体が主催する譲渡会から迎える方法もあります。
譲渡会では保護されてきた犬と触れ合い、条件に合えば譲渡してもらうことができます。
メリット
- 健康状態や性格などを十分に評価している場合が多い
- 成犬が多く、大きくなってからのサイズや、性格を予め知った上で飼える
- 実際に触れ合うことができる
- 引き取る前にトライアル期間を設けている場合もあるので、お互いの相性を事前にチェックできる
- 健康状態や性格などを十分に評価している場合が多い
- ペットショップやブリーダーから迎えるほどの高額な費用はかからない
- 犬を迎え入れる際の悩みや不安なことについて相談できる
デメリット
- 審査や条件が厳しく安易に引き取ることはできない
- 都心から離れた場所で開催されることが多く、ペットショップのように簡単には会いにいけない
- 成犬が多いため子犬を探している方には適さない可能性がある
- 病気を持っている場合がある
- 臆病な子、警戒心が強い子もいるため、信頼関係を築けるまでに時間がかかる場合がある
ブリーダー
ブリーダーとは特定の犬種を専門に繁殖し、健康で良質な子犬を育て、ペットショップに卸したりオークションに出したり、個人に販売するブリーディングを行う上でのプロフェッショナルです。
ただ、ブリーダーの中には犬をただの商売道具として扱う業者がいるため、信頼できるブリーダーを見極める必要があります。
メリット
- 健康で血統書付きの子犬を引き取ることができる
- 繁殖している子犬の飼育スペースを見せてくれるブリーダーもいるので、生活環境を自分の目で確認することができる
- ブリーダーと直接話ができ、アドバイスなどを直接聞くことができる
- 親犬や兄弟犬を見ることもできるので、成長した後の姿や性格を想像しやすい
- ペットショップに比べると費用が安いことが多い
デメリット
- 悪質なブリーダーもいるため、優良なブリーダーかどうか見極める必要がある
- 急に訪問しても見学できないので、事前に連絡が必要
- のびのびと育てられるよう広い土地に犬舎がある場合があり、都心から離れたところにあることが多い
ネットの里親募集サイト
里親募集サイトを利用することで、犬を引き取る方法もあります。
個人がやむを得ない事情で飼えなくなった場合や保護団体が保護した犬の情報など多数掲載されています。
メリット
- まずはネットから検索することができるため、引き取り先を探すハードルは低い
- 成犬が多く、大きくなってからのサイズや性格を予め知った上で飼える
- ペットショップやブリーダーから迎えるほどの高額な費用はかからない
デメリット
- 成犬が多いため子犬を探している方には適さない可能性がある
- 病気を持っている場合がある
- 臆病な子、警戒心が強い子もいるため、信頼関係を築けるまでに時間がかかる場合がある
まとめ
ヨーロッパや欧米諸国など動物福祉先進国の場合、ほとんどのペットショップでは犬猫が店頭に並んでいることはありません。
それらの国の人にとってペットショップは犬や猫を買う場所ではないからです。
ではそういった動物福祉先進国ではどこから犬を迎え入れているのか?
答えはブリーダーやシェルターと呼ばれる保護施設、知人や友人などからです。
日本が海外のように動物福祉の観点からペットショップでの犬猫の生体販売をなくすことはすぐには実現しないかもしれません。
ペットショップで迎えることが悪いことではなく、様々な入手方法の中からご家庭に適した選択肢を選び、犬を迎えることで「人も犬も幸せになる」ことが大切だと思います。
そして、ご自身の周りの家族や友人が同じように犬を迎えたいと思った時にペットショップ以外の選択肢があることを伝えていくことで、より多くの人や犬が新しく出会い幸せになってほしいと願っています。
最後に、この記事を読むことでペットショップ以外の命も新しい家族と出会うことができたら嬉しく思います。